園長

【2024年5月】若葉の魔法

木々の若葉が瑞々しい季節になりました。
冬の間、箒を逆さにして立てかけたように細い梢を空に向かって伸ばしていた園庭の大きな欅が、ある朝気づいたら突然、鮮やかな新緑にこんもりと包まれていたのには驚かされました。
春の自然は本当に日々ダイナミックな魔法を見せてくれます。
幼稚園の新しい年度が始まり1か月となります。
朝、園の門に立っていると、様々な子供達の姿に出会います。
昨年まではお家の人と別れるのが寂しくて、あるいは何か心配なことがあって…入口で涙ぐんでしまうような日もあった子が、4月を迎え学年が一つ上がった途端にしっかりと前を見つめて一人で園の門を入っていくようになった姿もたくさん見られました。
これもまたなんだか魔法のように感じられ、見ていてちょっとした感動があります。
でもそれはもちろん魔法ではありません。年度が変わったらどの子もみんな一様に成長するというような単純なことではないはずです。
一人ひとりの「成長」の向こう側には、子供の成長を信じて時間をかけて丁寧に子供に寄り添ってきたお家の方の温かい愛情と励ましがあり、またそれを受けながら一人ひとりの子供は自分の中に新たな力を少しずつ蓄えてきたのです。
そしてあるタイミングでそれが大きな成長の形、行動となって現れる。
幼稚園はそうして蓄積された一人ひとりの子供の成長のエネルギーを一番適切なタイミングで引き出し、形にするための「仕掛け」として、様々な行事や活動を用意する。
「新学期」も「クラス替え」も、これから始まるたくさんの活動も、全ては子供達の素敵な魔法の「舞台装置」なのかもしれません。

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