園長

【2023年6月】雨のにおい

気持ちよい晴天が続いた後、ちょうど降園の時間に久しぶりの雨が降り始めました。
「雨だ!」「なんか不思議なにおいがするね。」「するする!これ雨のにおいだ!」「うーん、泥のにおいに似てるかな…風にはにおいなんてないのに、なんで雨にはにおいがあるのかなあ。」…玄関で降り始めた雨を眺めながら、その場にいた子としばらくこんな会話を楽しみました。
この「雨のにおい」のことをペトリコールというそうです。ギリシャ語で「石のエッセンス」という意味です。
石や地面に付いた植物から出た成分が雨によって空気中に放出されるのがその正体と言われますが、なぜかちょっと懐かしい気持ちになる独特のにおいです。

雨がふってきた 土くさい 土くさい どしゃぶりだ  
(「雨のにおい 星の声」小峰書店より・「どしゃぶり」 遠山満志夫・小4)

これは、生まれながらに目の見えない男の子が書いた詩です。
たとえ目では見えないものも、全身で感じ、言葉にすることで人に伝えたり、共有したり、また自分自身の中に確かに残すことができます。
「これ、雨のにおいだ!」とすぐに反応した子は、きっとどこかで誰かと「雨のにおい」を共有し、その言葉を教えてもらったことがあるのでしょう。
これからも子供たちと一緒に、いろいろなものにゆったりと向き合いながら、その言葉に耳を澄ませ、その瞬間を言葉に残していきたいものです。
ところで、この本の中には、こんな詩もあります。

星は キラキラ光っているとみんながいう。 ぼくは 星を知らない。
でも なんだか 【   】 みたいな 気がする
(同上・「星」 仲井秋雄・小4)
さて、【    】の中にどんな言葉が入るでしょう。お子様と一緒に考えてみてください。

 

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