園長

【2023年4月】丘の上の本屋さん

久しぶりに休日の町に出て映画を観てきました。
イタリアの美しい村の丘の上にある小さな古書店を舞台に、店主の老人と移民の少年の交流を描いた「丘の上の本屋さん」(クラウディオ・ロッシ・マッシミ監督・2021年/イタリア)という作品です。
本を買うお金のない少年に店主は「読み終わったら返しに来ること。」「本の感想を聞かせてくれること。」を条件に無料で本を貸し出します。
最初は少年が欲したミッキーマウスのマンガ。借りた本を一心に読んでは店を訪れるようになった少年に店主が選んでは次々と貸し出す本が映画の中で丁寧に描かれていきます。
「ピノッキオの冒険」「イソップ物語」……誰もが知っている古典的作品ですが、本の感想を巡って店主と少年の興味深いやりとりが続きます。
やがて店主が貸し出す本は「星の王子さま」「白鯨」……とより深く、味わいある作品へと変わっていきます。
本を通してぐんぐんと世界を吸収していく少年の澄んだ瞳が印象に残りました。物語を彩る美しい丘陵地帯の風景と個性的な登場人物たちも魅力的です。
本を通して世代を超えて人と人が繋がる可能性。またその中で常に磨かれながら受け継がれていく普遍的な価値観の重みについて改めて考えさせられました。
「持ち主が代わり、新たな視線に触れるたび、本は力を得る」
これは映画の中で古書店の銘板に刻まれていた言葉です。(カルロス・ルイス・サフォン「風の影」の一節)
さて、今年は子供たちにどんな本を託していこうか。帰りに寄った書店でついついたくさんの本を買いこんでしまいました。

新着記事

過去の記事

MENU