園長

【2025年8月9月】原市沼の蓮

7月中旬の早朝、原市沼(沼南駅の少し北)に見頃の蓮(ハス)の花を見に行ってきました。
原市沼が大きな沼地だった数十年前まで、沼に自生していたという蓮は、食糧難の時代に根(蓮根=レンコン)が食用にされたことなどから一度は姿を消してしまったそうです。
それを地元有志の方々が苦労を重ねて復活させて現在は10000株以上に増やして花の時期には広く公開しているのが現在のこの場所です。
蓮といえば、花の美しさもさることながら、その葉の表面が水を弾く特別な構造をしており、朝露がコロコロと銀色に光る玉になって葉の上を転がる様は見ていて飽きません。
七夕にはこの露を集めてその水で墨をすって短冊に歌や願い事を書いて飾ると字が上手になり、願いが叶うともされています。
私が小さかった頃はそう祖母に教えられ、身近に蓮はなかったので菜園の隅に植えられていた里芋の葉にも同様に溜まる朝露を集めて墨をすり、七夕の短冊を書いて遊んだ覚えがあります。
また、大きな蓮の葉を支える茎の中には小さな穴がいくつも開いています。その穴は酸素の少ない沼地の土中にある根(=レンコン)まで繋がっていて、根に酸素を送る仕掛けになっているのだそうです。(レンコンに穴が開いているのはそういう訳だったのですね!)
蓮の葉を切って葉の方から酒や水を注ぎ、茎をストローのようにして下から飲む「象鼻杯」(ぞうびはい)という優雅な遊びもあります。
いくつもの小穴を伝わって流れるので、かすかな蓮の香気が感じられ、清冽な味がするとのこと。こちらはまだやったことがないのでいつか試してみたいものだと思っています。
自然はただ遠くから美しいと眺めるだけではなく、このように直接触れて遊び、そのような遊びを通してその特徴を知ることも特に子供時代には大事な経験だと思います。
昔から人々はそうやって身近な自然と 楽しく関わり、関わることで自然を理解してきたのです。
蓮池を管理されている「原市沼を愛する会」の方から幼稚園へのお土産にと蓮の種をいただいてきました。
園のビオトープでも蓮を育てて子供達と実際に朝露を集めたり、葉から茎に水を流したりして遊んでみたいなと思っています。

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