園長

【2025年7月】生き物を呼ぶ庭を創る

夏が近づくと強い日差しもものともせず子供たちの虫探し遊びがヒートアップしてきます。
定番のダンゴムシ探しに始まり、園庭の大きな欅の木の幹ではテントウムシやその幼虫、卵も見つかります。
運が良い子は砂場遊びの最中に高い枝から落ちて来るきれいな虹色に輝くヤマトタマムシを見つけることもあるし、夜の間に飛んで来るコクワガタ、歌の歌詞では有名ですが見たことのある人は少ないオケラなどちょっと珍しい生き物に出会うこともあるようです。
一度見つかる場所を覚えると、並んだプランターを一つひとつ持ち上げたり、通路の人工芝をめくり上げたりしてその下を丁寧に確認していく子供たちの楽しそうな姿を毎日見ることができます。
子供たちの楽しいフィールドである園庭ですが、意外なことにチョウやバッタ、カマキリ、トンボ、カタツムリなど誰でも知っている身近な生き物との出会いはあまりありません。
なぜでしょう?
どんな生き物もそれぞれに合った餌・オスメスの出会いや産卵の場所・隠れる場所を求めて集まります。
そういう場所がないところではいくら探してもその生き物の姿を見ることはできないし、逆に言えばそういう場所を用意してやれば呼び寄せることもできるということです。
そう遠くない所に畑や草地、雑木林、川など豊かな自然が残り、園庭や周囲にも大きな樹木などがある当園ですから、少し工夫することで子供たちがもっと多様な生き物、自然と出会えるのではないかと考え、今年はボランティアの方々のお力も借りながら、園庭に小さなビオトープ(=生き物の庭)創りに取り組み始めました。
アゲハ蝶を呼びたければどんな木を植えたらよいでしょう。バッタの好きな食べ物は何かな。トカゲの隠れ家になるのはどんな所だろう。
先生や子供たちにも一緒に考えてもらいながら、少しずつ試行錯誤していきたいと考えています。
生き物に触れ、見つめる(生き物が苦手という人は草花でもいいし、土や水や氷に触れるだけでもいいと思います)そういう体験こそが、ヒトの力を越える大きな自然への気づきと生命の尊さの学びにつながるのではないでしょうか。

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