【2025年3月】鳥たちの生存戦略
子供の頃から博物館に行くのが好きです。
先月は上野の国立科学博物館の特別展「鳥」を見に行ってきました。
私自身は特別な「鳥マニア」ではありません。
ただ子供の頃、周りにちょっと鳥に詳しい人がいて一緒に観察をしたり名前を教えてもらったりしたことがあり、まあ身近な鳥なら少しはわかるよという程度。
鳥のために遠くまで出かけたり、大きなカメラを買ったりすることはありません。
ただ、鳥は街中でも確実に見ることができる野生生物の一つです。猫を見ない日はあっても鳥を見ない日はないでしょう。
子供達と関わる仕事に就いてからは、子供と一緒に自然を楽しむ方法の一つとして野鳥観察に取り組んできました。
鳥は私にとっては、生き物に興味を持ち、その世界を知る入口のようなものでした。
さて、鳥展は最新の知見をわかりやすく解説した展示や映像、国立博物館ならではの見事な標本などをたっぷりと見ることができて大満足でしたが、いくつか強く印象に残った展示がありました。
中でも一番びっくりしたのは「鳥は状況次第で雌雄を産み分ける」という研究の紹介でした。
「メスは、つがいの相手がイケメンだとオスが生まれる卵を産み、それほどではないとメスの卵を産む」というのです。
鳥のイケメンとは羽の発色が鮮やかなもののことです。餌を獲る能力が高いオスは栄養状態もよく、それが鮮やかな発色に繋がるのです。
栄養状態のよいオスは繁殖力も高いと考えられ、メスはイケメンオスの遺伝子を継ぐオスの子供を産む方が多くの子孫を残すことができると考え(?)オスを産むというのです。
いや、あくまで鳥の話なのですが、ちょっと考えさせられてしまいました。
それはさておき、鳥に限らず生き物の巧みな生存戦略にはいつも驚かされます。
決して高い知能を持ってはいないと思われるような生き物、あるいは植物でさえびっくりするような方法で子孫を残し、この地球上で何億年も生命を繋いできているのです。
様々な技術を持ち、課題があれば調べたり、相談したり、深く考えたりして解決できるはずの私達人間は子供達にどんな未来を繋いでいくのでしょう。
人間の真の賢さがいま改めて問われているように思います。