【2025年1月】一番星見~つけた!
私は空が狭い町中で育ち、子どもの頃から視力がよくなかったこともあり、星の観察というのはあまり熱心にした記憶がありません。
天文は今でもどちらかというと苦手分野なのですが、それでも冬の空に輝くオリオン座の三ツ星は小さい頃に覚えました。
学校に勤めていた頃は、この時期はよく子ども達と冬の星空観察を楽しんできました。
まずはギリシャ神話の狩人オリオンの話などを簡単にしてから実際に空を見上げます。
冬の夜空には明るい星がたくさんあります。
「まずはオリオンのベルト=三ツ星を探そう。その周りの4つの星がオリオンの身体だよ。左上の明るい赤い星はベテルギウス。
『巨人の脇の下』っていう意味なんだって。」と話すと子ども達は面白がってすぐにその名前を覚えます。
オリオン座の周りに広がる1等星の名前も子ども達は「リゲル・アルデバラン・カペラ・ポルックス・プロキオン・シリウス…」と競って覚えていました。
私は自然観察では名前を覚えることより、よく観察して自分なりのオリジナルネームを付けよう、とよく話しているのですが、しっかり自分の目で観察できたものはその名前を覚えるのも意味があることかなと考えています。
名前を知ること、そしてそれを誰かに「よく知っているね!」と褒められることが、その世界への興味の入口となることはよくあります。
星や鳥や花の名前を知っているということは、別にその専門家にならなくても人生を少しだけ豊かにしてくれるはずです。
さて今の時期、夕暮れの南西の空には金星も明るく輝いています。金星は「宵の明星」「一番星」などとも呼ばれます。
12日には火星が地球に最接近し、満月の14日には月のすぐ右上に明るい赤い火星が寄り添っているのが見られることでしょう。
またほとんど頭の真上には、さらに明るい木星も輝いているはずです。
今月は夕暮れを待って子ども達と「一番星見~つけた!」をしてみましょうか。