【2024年2月】万華鏡の中の宇宙
初めて万華鏡に出会ったのはまだ小学校に上がる前のことだった思います。
小さな筒を覗くとそこには様々な色と形が無限に広がる「もう一つの宇宙」がありました。
筒を回す度に現れるパターンは連続的に変わり、同じものが二度と現れることはありません。
すっかり心を奪われてしまった私は、やがてその宇宙の秘密がどうしても知りたくなり、ある日万華鏡の「分解」に取りかかりました。
苦労して筒の先端部分を外すと出てきたのはビーズや色セロファンのかけらと3枚の鏡。
鏡は子供にはそれ自体が魅力的なおもちゃですが、それを組み合わせることで不思議な世界が現れることを私はその時知りました。
小学校に入ると理科の教科書に2枚の鏡を使った「潜望鏡」作りがありました。
工作用紙で手作りした潜望鏡はしばらくの間、私の宝物になりました。
その後も理科の時間に次々と出会った虫眼鏡、顕微鏡、プリズムなどの光を操る道具は私の心を捉え、世界を広げてくれました。
万華鏡は私にとって科学の世界への入口だったような気がします。
今年度の生活発表会のアンケートでは、意外にも記念品として配布した万華鏡について、
「デジタルのおもちゃが多い中、子供には新鮮だったようだ」「夢中になってずっと覗いていた」などとたくさんのお声をいただきました。
小さなおもちゃが子供達に新たな世界への扉を広げてくれたとしたら嬉しいことです。
ところで万華鏡は手作りもできます。材料や方法を紹介するサイトもたくさんあるので、お時間がある時にお子様と楽しんでみてはどうでしょう。
入れる物や鏡の数を変えると映る世界も変わるし、ビー玉をレンズのように使って外の景色をそのまま取り込むものなどもあるようです。ちょっと楽しそうではないですか。